令和三年のピンホール

20代会社員の撮影にまつわるよもやま話

Flextight x5 vs GT-X950 比較(告知あり)

 

 

 

先週の金曜は仕事が休みだったので、いつもお世話になっているお店でフィルムをデータ化してきた。

レンタルを利用する前はプロラボのサービス。それから、何度もお店に通うのは面倒だしすぐに元を取れるはず、と思い自宅にエプソンのGT-X980を迎えて使っていた。その後、評判は聞いていたが、普通自動車1台は買えてしまうくらいの値段のするハッセルブラッドFlextight(フレックスタイト) x5を使用できると聞き以来、お店に通いせっせとデータ化している。2回ほど使ってみての感触だが、今後はフレックスタイトをメインで使い続けていきたいなとぼんやり考えているところ。1年弱の暗室時代、中判フィルムのメイン化と写真と向き合う環境が変わってきた中で、今一度比較し使用感をまとめてみたいと思う。検証の条件として、双方ともTIFF、2000dpiに揃えて比較してみた(写真展用の印刷にはあまりにオーバースペックな設定にしてしまったが、データ引き渡し後に解像度に気づいたためこの条件でやる)。

 

Flextight x5 操作手順

引き出しの中に35mmから4×5判までのホルダーが入っている

 

①フィルムを専用ホルダーにはさみ、本体テーブルにセットする

マグネット式でピタッとくっつく

 

②専用ソフトFlexcolorを開き、〈プレビュー〉を押す

今回使用したプロファイルは〈Negative RGB standard〉

 

③スキャンしたい部分をドラッグ&ドロップ

スキャン範囲を設定

 

④〈スキャン〉を選択

1分ほどで出来上がり

 

 

GT-X950 操作手順

①フィルムを専用ホルダーにはさみ、本体ホルダーにセットする

よく見えるので自然光の下で

表向きにセットし、裏返してフタを閉じる

 

②専用ソフトEpson Scan 2を開き、〈プレビュー〉を開く

 

③スキャンしたい部分をドラッグ&ドロップ

④〈スキャン〉を選択

 

 

比較

 

①チリ・ゴミの入りやすさ

フラットベット方式のスキャナーは目に見えて小さなチリが入りやすいという難点がある。ブロアーで飛ばすことで多少改善されるが、焼け石に水である。また、上の写真を見てわかる通り3点で留めてフィルムを固定するが、ズレやすく、狙った位置にフィルムを固定するのに慣れがいる。

色の濃い部分はなおさら目立つ

 

②スキャン時点での色味

 

左がフレックスタイト、右がGT-X980でスキャンした同一の写真である。

左はスキャン後Lightroomでハイライトや露光量を多少弄ったが、全体としての色味はほぼそのまま変えていない。右の写真は、一緒に持っていったD850で撮ったデータと見比べると、明らかに茶色っぽい。

どうやらフィルムと一緒に黒い紙をスキャンすると良いそう。

編集しながら思ったが、フィルムで撮影する場合は、元の色味と比較するためにデジカメも持って行くのが良いと思う。元はブログに旅行記を投稿するためにD850を持ち歩くようにしたが、画面だけを見ながらホワイトバランス諸々を調整していると、やりすぎてしまう可能性があるのでストッパーの役割となる見本が必要だと思った。好みの問題であるが、青みと黄みのどちらが強く出るかという違いも頭の片隅に入れておきたい。

 

 

Tips

フレックスタイトできれいにフィルムを読むコツは、ホルダーに挟む際に3つの辺を隅までピタッと合わせることらしい。店員さんが教えてくれた。

像が歪まないようにきちんと奥まで入れよう

Epson Scan 2の前身ソフト「Epson Scan」では「プロフェッショナルモード」「ホームモード」などの多数のモードが搭載されており、これを使うことで自動露出や退色復元、アンシャープマスク(ぼやけた画像をくっきりさせる)機能が使えたようだ。

今回GT-X980と繋いだMacのOSはCatalina(ver.10.15.7)だったが、エプソンのサポートページを見るとSierra(ver.10.12)以前で使用する際は以前のバージョンが使えるそう。ちなみにWindowsでは全てのOSでEpson Scanが使える。Apple製品どっぷりの私だがこれはWindowsに軍配を上げざるを得ない。

 

 

追伸(告知)

6/20から大学写真部のOBによる展示に参加します。

私も2点出します。冒険と思い出のつまった写真たち、良かったら見にきてください。